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Mr. Strobel
Mr. Caspary
Thank you very much for your visiting our firm and delivering the lecture.
ドイツ国ミュンヘンのKROHER-STROBEL Rechts und Patentanwalte(特許事務所)より、パートナー弁理士のMr. StrobelとMr. Casparyにご訪問頂きました。2007年12月13日発行の「EPC2000」、2008年5月1日発行のいわゆる「London Agreement」以来、近年の日欧の実務で気になるところについて、講義頂きました。
近年の条約改定により、EPC出願において日本企業にとっては有利な面(優先権訳文が原則不要となった、出願日認定要件が緩くなった、多くの国で特許付与後の明細書全文の加盟国公用言語の翻訳文の提出義務が免除された(但しこれは翻訳産業にとってはネガティブ)など)が多数あります。
一方、実務家として気になるところは、(1)ユーロ高の影響、(2)クレーム数の制限(所定数以上のクレームに対するペナルティとも思われる課金)、(3)発明の単一性を満たさない時の取扱いなどでしょうか。
(2)に関しては、2008年4月1日以降、クレーム数15を超えたクレームには、クレームごとに200ユーロ、2009年4月1日からは、クレーム数50を超えたクレームには、クレームごとに500ユーロが課金されます(いかなる状況でも払い戻し(refund)はないものと思われます)。このあたり、知らずに日本出願をそのまま翻訳してEPに出願したりすると、とんでもないことになるかもしれません。詳細は、EPOホームページの”Rules relating to Fees”を参照下さい。
本来ヨーロッパの国々では特許権侵害に関し、element by elementルールが適用されながらも、均等の範囲が広く認められるので(いわゆる広義の「中心限定主義」)、少ないクレームでも発明の保護が十分である、これに対して、US実務や日本実務ではクレームの均等の範囲が狭いため(いわゆる広義の「周辺限定主義」)、発明の多面的保護のために徒にクレーム数が多くなる傾向がある、というところでしょうか。そのような考えを理解すると、EPOでの懲罰的なクレーム課金システムに関しても理解できるような気もします。おそらく、EPC規則43条(5)の「The number of claims shall be reasonable with regard to the nature of the invention claimed. 」の「reasonable」の感覚が欧州と日本(および米国など)とで異なるのでしょう。ヨーロッパ出願には、EP用のクレームのドラフティングがますます必要になってくるものと思われます。
また、EUの早期審査制度など実務の有用な情報についても教示頂きました。ありがとうございました。世界は狭くなりましたが、極東(Far East)に住む者にとって、EUの実務はやはり奥が深いです。
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写真右がMr. Strobel、左がMr. Caspary、中央が筆者。弊所にて。
椿特許事務所
[弁理士TY]

Post Author: tsubakipat