実務の確認用にマドプロ関連の条文を掲載しておく。
【日本国商標法】
(国際登録出願)第68条の2
日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人であつて標章の国際登録に関するマドリッド協定の1989年6月27日にマドリッドで採択された議定書(以下「議定書」という。)第2条(1)に規定する国際登録(以下「国際登録」という。)を受けようとする者は、特許庁長官に次の各号のいずれかを基礎とした議定書第2条(2)に規定する出願(以下「国際登録出願」という。)をしなければならない。この場合において、経済産業省令で定める要件に該当するときには、2人以上が共同して国際登録出願をすることができる。
1.特許庁に係属している自己の商標登録出願又は防護標章登録出願(以下「商標登録出願等」という。)
2.自己の商標登録又は防護標章登録(以下「商標登録等」という。)
2 国際登録出願をしようとする者は、経済産業省令で定めるところにより外国語で作成した願書及び必要な書面を提出しなければならない。
3 願書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.国際登録出願に係る商標の保護を求める議定書の締約国の国名
2.国際登録出願に係る商標の保護を求める商品又は役務並びに第6条第2項の政令で定める商品及び役務の区分
4 国際登録出願に係る商標又は標章について議定書第3条(3)の規定の適用を受けようとする者は、その旨及び付した色彩又はその組合せを願書に記載し、かつ、その色彩を付した商標登録出願等に係る商標若しくは標章又は登録商標若しくは登録防護標章の写しを願書に添付しなければならない。
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【参考】
(1)「国際登録出願」=日本から外国締約国を指定して行なう国際出願(第68条の2)。
cf.)「国際商標登録出願」=外国締約国から日本を指定して行なう国際出願(第68条の9)。
(2)出願の様式はMM2。オンライン出願は不可。使用言語は英語。
(3)商標は、基礎登録・出願商標と同一でなければならない(厳格な同一性)。(議定書2条(1))
(4)指定商品・指定役務も、基礎登録・基礎出願と同一、または基礎登録・基礎出願の範囲内でなければならない(議定書3条(1)第2文)。
【議定書条文】
議定書第2条 国際登録による保護の確保
(1)標章について、いずれかの締約国の官庁に標章登録出願をした場合又はいずれかの締約国の官庁の登録簿に標章登録がされた場合には、当該標章登録出願(以下「基礎出願」という。)又は当該標章登録(以下「基礎登録」という。)の名義人は、この議定書の規定に従うことを条件として、世界知的所有権機関(以下「機関」という。)の国際事務局(以下「国際事務局」という。)の登録簿(以下「国際登録簿」という。)への標章登録(以下「国際登録」という。)を受けることにより、当該標章の保護をすべての締約国の領域において確保することができる。ただし、次の条件を満たす場合に限る。
(i) 国である締約国の官庁に基礎出願をし又は基礎登録がされた場合には、当該基礎出願又は当該基礎登録の名義人が、当該国である締約国の国民であるか又は当該国である締約国に住所若しくは現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有していること。
(ii) 締約国際機関の官庁に基礎出願をし又は基礎登録がされた場合には、当該基礎出願又は当該基礎登録の名義人が、当該締約国際機関の構成国の国民であるか又は当該締約国際機関の領域内に住所若しくは現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有していること。
議定書第3条 国際出願
(1) この議定書に基づくすべての国際出願は、規則に定める様式の願書によって行う。本国官庁は、国際出願の願書の記載事項が基礎出願又は基礎登録の記載事項と一致している旨を証明する。この場合の基礎出願又は基礎登録の記載事項は、本国官庁による証明の時点におけるものとする。更に、本国官庁は、次の事項を当該願書に記載する。
(i) 基礎出願については当該基礎出願の日及び番号
(ii) 基礎登録については当該基礎登録の日及び番号並びに当該基礎登録の出願の日及び番号
本国官庁は、また、自己が国際出願を受理した日を当該願書に記載する。
議定書第3条
(3)
出願人は、標章の識別性のある特徴として色彩を主張する場合には、次の(i)及び(ii)の規定に従って国際出願をしなければならない。
(i) 色彩を主張する旨を記載し、かつ、主張する色彩又はその組合せを国際出願に際して明示的に特定する。
(ii) 当該標章の色彩を施した写しを国際出願に際して提出する。この写しは、国際事務局による通報に添付される。この写しの必要数は、規則で定める
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【内閣府による法令の英訳】
Art. 68-2.(Application for international registration)
(1) A Japanese national or a foreign national domiciled or resident (or, in the case of a juridical person, with a place of business) in Japan who desires to obtain an international registration ( hereinafter referred to as an “application for international registration”)provided in Article 2(1) of the Protocol Relating to the Madrid Agreement Concerning the International Registration of Marks adopted at Madrid on June 27, 1989(hereinafter referred to as the “Protocol”)shall file with the Commissioner of the Patent Office an application (hereinafter referred to as an “application for international registration”)pursuant to Article 2(2) of the Protocol based on any of the following items. In this case, where requirements provided by an Ordinance of the Ministry of Economy, Trade and Industry are applicable, two or more persons may jointly file the application for international
registration.
(i) the application for trademark registration or application for defensive mark registration of the applicant that is pending before the Patent Office (hereinafter referred to as the “application for trademark registration, etc.”); or
(ii) the trademark registration or defensive mark registration of the applicant (hereinafter referred to as the “trademark registration, etc.”).
(2) Any person who desires to file an application for international registration shall submit the prescribed application and required documents in the foreign language pursuant to an Ordinance of the Ministry of Economy, Trade and Industry.
(3) The application shall state the following matters:
(i) the name(s) of the Contracting Party to the Protocol in which the protection of the trademark pertaining to the application for international registration is sought; and
(ii) the goods or services in connection with which the protection of the trademark pertaining to the application for international registration is sought and the class of the goods and services provided by Cabinet Order in Article 6(2).
(4) Any person who desires to apply Article 3(3) of the Protocol in connection with a trademark or a mark pertaining to the application for international registration shall state in the application a statement indicating thereof and the color or the combination of colors claimed and append to the application copies of the trademark or mark pertaining to the application for trademark registration, etc., in color, or of the registered trademark or registered defensive mark in color.
椿特許事務所