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弁理士(知的財産に関する代理人)の業務として、
(ア)権利(財産権)を取得する業務(権利化業務)と、
(イ)権利(財産権)のトラブルを解決する業務とがあります。
このうち、(ア)に関して、「よい権利化業務」ができる弁理士の条件として、
(1)日本国内で「よい権利」を取得することができ、かつ、「登録率」(特許や商標登録を得ることができる確率)が高い、
(2)外国でも「よい権利」を取得することができ、かつ、「登録率」が高い、
ということが挙げられます。
特に、経済のグローバル化、中国を含むアジアの近未来、各国企業との係争の可能性を考えると、(2)は重要な業務ですし、(2)を実現するためには、それの基礎となる(1)の業務ができていなければなりません。
(1)、(2)における、「よい権利」と「登録率」は、両者を重視する必要がありますが、それらはある意味、天秤の両端に位置するものです。
例えば「広い権利こそがよい権利」という主義の元に、不適切に広い権利を狙うことで、結局は拒絶査定に終わってしまう(登録率が低い)代理人は一般論として問題でしょうし、逆に、登録率を上げたいがために、極めて狭い範囲での権利取得しか狙わない(よい権利が取得できない)代理人というのも問題かと思います。
すなわち、「よい権利」と「登録率」の両者を重視することが、依頼人(クライアント)の利益を最大限にすることに繋がるものであり、このことを考え、その実現ができるのがプロの代理人であると思います。
「よい権利」を狙って、かつ100%の登録率を有する弁理士、というゴルゴ13のような代理人はいないと思いますが(いらっしゃいましたら、是非ご連絡下さい。)、法律や判例、審査基準などの勉強をすること、明細書の質向上のために科学・技術の勉強をすること、実務の経験を積むこと、交渉能力、コミュニケーション能力を向上させること、1件1件の仕事を貴重なものとして大切に処理すること(ベストな結果を得るため、あらゆる方策を尽くすこと)、そして何よりも代理人として誤った道に進むのではなく、よい方向に進んでゆくことにより、「よい権利」の取得と、「登録率」を上げることの両者を満足させることができる代理人(腕のよい代理人)になってゆくのではないかと思います。
そして今日も弁理士は、腕を磨くために、終わることのない勉強と、実務の研鑽を続けています(筆者の場合、無駄な社会勉強が多すぎ、と叱られたりもしますが)。
椿特許事務所
弁理士TY

Post Author: tsubakipat