メイド・イン・ジャパンの命運(NHKスペシャル)
「メイド・イン・ジャパン」は、品質がよく壊れにくい優秀な製品を示す代名詞として、戦後の日本人の大変な努力によって獲得されたブランドであり、そのブランドは、日本の経済の復興・発展に寄与したのみでなく、日本の地位と日本のイメージを形成するのに多くの役割を果たしました。
先日、NHKスペシャルで、「メイド・イン・ジャパンの命運」と題した、アジア諸国の猛追、経済状況の変化、技術のシフト(ハードからソフトの流れなど)、などによって日本の製造業が直面している問題について紹介する番組が放送されました。
グローバル経済の中で、日本は何を作るのか?日本で何を作るのか?その問いかけとともに番組は構成されており、興味深い内容でした。番組では、電機メーカーの開発の事例、技術ライセンスの事例などが紹介されていました。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100124.html
また番組では、知的財産を取得し、中国のEMS(Electronics Manufacturing Service;電子機器生産受託サービス)メーカーにそれをライセンスし、ライセンス料を企業収入にしようとするビジネスモデルの構築例が、交渉の映像とともに放送されていました。
様々な技術分野において参入障壁が下がり、国際的な競争が過酷になってゆく時代において、オリジナリティーの高い製品・技術を開発し、それが容易に真似されないようにすること、およびその技術を採用したいと考える企業がたくさん現れるようにすることは、企業存続のためになくてはならない戦略かと思います。
そのために、
(1)よい発明(他社が使いたいと思う新技術)が生まれる環境を作る、
(2)よい発明を生み出す、
(3)よい発明をピックアップ・ブラッシュアップする、
(4)よい明細書の作成・よい出願を行う、
(5)効率的な中間処理を行って、コストを抑えながら世界の様々な国で有効な知的財産を取得する、
といった知的財産業務はコアとなる重要なものであると再認識しました。
また観点を変えると、日本の特許事務所の商品である「出願明細書」(メイド・イン・ジャパンの明細書)の作成も、それ自体、経験とノウハウを要する「モノ作り」の一つであり、作成を行う実務家の能力差が出るものです。より低コストで、より品質の高い明細書の作成ができるように、常に向上を目指していこうと思いました。
椿特許事務所
弁理士TY