先日、第38回京滋合同特別セミナーに参加させていただきました。
このセミナーでは、弁護士・中町昭人先生による「米国でのパテント・トロールによる特許訴訟への対策」、「M&A・事業再編における知的財産の取り扱いについて」、宝塚歌劇団・中西達也氏による「宝塚歌劇とは?そのブランド戦略と楽しみ方」についての講義を聴くことができました。
・「米国でのパテント・トロールによる特許訴訟への対策」では、米国においての旧タイプの特許訴訟とは異なる新タイプの特許訴訟のテクニックについてご講義いただきました。
新タイプの特許訴訟とは、パテント・トロールによる特許訴訟のことであり、反訴を提起してクロスライセンスに持ち込むことが事実上不可能なものを指しています。これに対し、指揮段階で十分な調査、分析をして、積極的に相手とのコミュニケーションを試みることが重要であるということでした。また、このコミュニケーションの際には、こちら側が手強い相手であることを印象付けることがポイントであるようです。
・「M&A・事業再編における知的財産の取り扱いについて」では、M&A・事業再編により起こり得る知的財産問題についてご講義いただきました。
M&A・事業再編により起こり得る知的財産問題というのは、M&A・事業再編が経営陣内で決定してから、「知的財産の問題は知的財産部で何とかしてね」という風に降りかかってくる問題のようです。事前の対策として、M&Aを想定した契約書・規定を作成することが有効であるようです。
・「宝塚歌劇とは?そのブランド戦略と楽しみ方」では、神秘的なベールに包まれる宝塚歌劇団の内部の様子などもご講義いただきました。
宝塚歌劇の特徴は、(1)女性・単身者のみである、(2)出演者・演出家・オーケストラ・舞台装置・衣裳政策・宝塚音楽学校・劇場のソフト及びハードのすべてが自前である、(3)作品はオリジナル・新作を中心としている、(4)テーマが「夢・ロマン」「愛」である、(5)スローガンは「清く・正しく・美しく(創設者:小林一三氏の遺訓)」である、ことだそうです。
宝塚歌劇団は現在の人気に慢心することなく、ファン拡大のためのさらなる努力や、ブランドイメージの崩さないための努力を行われているそうです。このような姿勢は、一個人としても、事務所としても見習わなければならないと感じました。
ご講義いただきました中町昭人先生、中西達也様、大変勉強になりました。また、主催者である京都発明協会の皆様、幹事の皆様、ご参加された皆様、今回は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。
椿特許事務所
弁理士TM