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CPUの創りかた

CPUの創りかた

  • 作者: 渡波 郁
  • 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
  • 発売日: 2003/10/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

汎用IC(74シリーズ)10個を使って、コンピュータの心臓部であるCPUを創ってしまおうという書籍です。書籍の発売は10年近く前ですが、名著であると思います。
リセット・クロック回路、ROM、レジスタ、フリップフロップ、プログラムカウンタ、演算回路(ALU)、I/Oポート、命令デコーダ・・・、と1歩ずつ各回路の設計を進めて行くことで、最終的にCPU(「TD4」=「とりあえず動作するだけの4bitCPU」の意)の全回路が完成し、実際にプログラム(機械語)を動作させるまでが、ストーリー仕立てで楽しく書かれています。
コラムなども充実しており、パーツの基板実装のテクニック、最大動作周波数の求め方、オーバークロック、CPUのグレードアップの方法など、知識が自然と身に付く仕組みとなっています。
インターネット上には、TD4のエミュレータ、実際に組み立てた方の体験記、動画など多数公開されています。
取っつきにくい専門書が多い中、これほどわかりやすくCPUの基本が学習できる本はなかなかないものと思います。筆者の方の知識と説明力の高さは素晴らしいの一言です。
読み物として読むだけでも大変に面白い本ですが、実際に部品をつなげてCPUを創って動かすことができたら素晴らしいものと思います。ご興味のある方は、夏休みあたりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
はんだ付け作業が季節がら暑苦しいのであれば、電子回路シミュレータでしょうか。たとえば下記書籍に添付のシミュレーションソフト「CircuitMaker」であれば、LED、各種ゲート、フリップフロップ、ALU、ROM、RAMなど各種パーツを用いてコンピュータ上でCPU回路のバーチャル実験ができます(Editダイアログボックスにより、バーチャルなROMにデータの書き込みが可能)。本当にいい時代になりましたね。

CD-ROM付 電子回路シミュレータ入門―描いた回路がすぐチェックできる 増補版 (ブルーバックス)

CD-ROM付 電子回路シミュレータ入門―描いた回路がすぐチェックできる 増補版 (ブルーバックス)

  • 作者: 加藤 ただし
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/07/21
  • メディア: 新書

椿特許事務所
弁理士TY

Post Author: tsubakipat