Mexican Patent Provisions
Yさんのお誘いで、大阪工業大学知的財産研究科の森先生のゼミを訪れ、JICA(Japan International Cooperation Agency)の関係でメキシコから日本にいらしているMs. Marthaのレクチャーを受ける。
メキシコは、パリ条約、およびPCTの加盟国(国コード「MX」)。1994年改正の工業所有権法が現在有効。特許庁は、IMPI(Instituto Mexicano de la Propiedad Industrial)。1992年から医薬は、製法特許だけではなく、物質特許を認めることとなった(Transitory Article 12)。
USAからの特許出願が多く、続いてEUからの出願が多い。日本からの出願は、全体的に見ると少ないものの、許可される出願が多い(日本企業が出願を選別しているためと思われる)。
特許期間の延長制度はないが、判例法として延長が認められるケースがある。すなわち、「pipeline provisions」下の、PCT加盟国に元出願日を持つ特許であって、特許出願がなされた第1カ国において期限満了となった日と同じ日に期限満了となるメキシコ特許が対象。第1カ国で期間が延長されるときに、メキシコの特許権も延長されるので、メキシコでの特許期間が予測できない、という事態が生じている。
PCT国内移行の言語は、スペイン語。PCTでの国内移行は、予備審査の請求、非請求にかかわらず、30か月。
費用ほか詳細は、下記WIPOのHPで確認のこと。
http://www.wipo.int/pct/guide/en/gdvol2/annexes/mx.pdf
パリルート出願の場合、スペイン語で出願をする必要があるが、日本語でのメキシコ出願の後に、2か月以内にその翻訳文を提出することでそれに代えることが認められる(詳細は、確認要)。
【日誌】
Ms. Marthaの講演の後、1時間ほど筆者もプレゼンさせて頂き、その後パーティーへ。ちょうどメキシコは独立記念日に沸いており、大阪に滞在のメキシコの方々は、梅田スカイビルでイベントを開催していた模様。party peopleな方々の国は個人的に大好き。”mole chicken”というメキシコ伝統料理の話を聞いて、メキシコの人は「モグラ」を食べるのか!?と驚いていたら、「mole」は「モレ」と発音し、スペイン語で「大きなかたまり」を意味するそうで、安心する。
その後、阪神福島駅の近くにあるとても感じのいい店で、ゼミの方々と2次会。M先生にご馳走になる。帰宅途中の天満の「まるや」という屋台で、Yさんと反省会。こうして秋の日々も、毎日楽しく過ぎてゆく。
椿特許事務所
弁理士TY