財布の中を見てみると、10円玉に混ざっていつのまにか桐一銭青銅貨(昭和12年(1937年)発行)が。
昭和12年(1937年)というと、日中戦争が始まり、日本が出口の見えない戦争の時代に突入していった年です(個人的には私の父の誕生年でもある)。
物資の節約の観点から、その翌年には臨時貨幣法(議会の承認なしで貨幣を政府が自由に変更できるとする法律)が公布され、この桐一銭青銅貨の鋳造も中止となりました(一銭黄銅貨へと変更された)。
その後も日本の物資の不足は深刻になるばかりであり、昭和15年(1940年)には少額硬貨は全てアルミニウム製となり、太平洋戦争後期には、物資の海上輸送が事実上不可能となったことから、アルミニウム(主にボーキサイト)も不足することとなりました。(なお、米国においても太平洋戦争時には銅の不足から、1セント硬貨に銅を用いなかった時期があるそうです)。
思えば私の子供時代(福岡県の港の近くの町で過ごした1970~80年頃)には、学校や家庭で、「日本は資源が乏しい国なので、日本を発展させるためには知恵を絞るしかないのだ」、という教育を受けました。
現在でもレアアース問題など、様々な資源問題が話題に挙がりますが、日本の科学力・外交能力など様々な知恵をしぼって、また知的財産権を国策としてうまく使うことで、日本の将来をよりよいものにしていかなければならないと思います。
【追伸】
そんなことを考えていたら、丁度、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)で、「希少金属代替材料開発プロジェクトの拡充の公募について(予告)」が掲載されていました。公募期間は、平成22年12月下旬頃~平成23年1月下旬頃とのこと、日本の将来を担うテクノロジーの開発プロジェクトへ参加を希望される方は、ご留意下さい。
http://www.nedo.go.jp/
椿特許事務所
弁理士TY